前回の要約】

考古学の研究(NHK:食の起源より)

考古学の研究によるとアジア稲作地域ではウイルス対策としてアルコールの分解で発生するアセトアルデヒドにより殺菌し、アセトアルデヒドをより多く発生させるアルコールを飲めない人が生き残るようになったと説明している。

(参考:なぜ人はこれほど酒を飲むのが好きなのか? 人と酒をめぐる「3つの大事件」_NスペPlusより)

武漢と酒に弱い遺伝子を持つ人の分布図

図 武漢と酒に弱い遺伝子を持つ人の分布図

古代人のウイルス対策の体験

筆者はアルコールがウイルスを殺菌するのでアルコール源として日本酒を選び毎日少しだけ飲んだ。しかし、少しの日本酒でも毎日飲むと胃腸の調子が悪くなり、水割りにして日本酒を飲み続けた。
約一年経ち、アルコールの量が適切か疑問になり感染して発病に必要なウイルスの分子数とアルコールの分子数を計算した。その結果、感染発病に必要なウイルスの分子数は最大見積もっても9.8×10⁸個でアルコールは日本酒一滴でも10²⁰個ありアルコールは微少量で良いことが分かった。
そこでアルコールを飲むのを止めて食事として食べることにし、食事に味醂や料理酒を加えた。それは食べると美味しい和食であった。日本では古来より食べられてきた和食であるが、防疫作用もあるのだと気づいた。


【まえがき】

前回のレポートでは考古学の知見を元に新型コロナ対策としてアルコールを摂取する実践体験を報告した。
今回、アルコールを含んでいる和食はどれくらいあるのか、またそれぞれの和食にはどの程度のアルコールが含まれているのか推定してみた。
また、飲み会はウイルスの拡散を広げるために自粛や禁止されることが多い。実際、飲み会でコロナに感染する人も多いようだ。何故殺菌作用のあるアルコールの飲酒でコロナが拡大するのか考えてみた。
更に山中伸弥教授は、「日本の感染状況から感染者や死亡者の数が、欧米より少ない」その原因を、ファクターXとして可能性のある7項目を挙げている。ファクターXとは何かについて、アルコールを微少量含む和食(WASHOKU)の可能性を検討した。

【アルコールを含む食事】


和食の中でアルコールの入ったおかずとアルコールの量を推定するために手元にあった料理本を参考にした。参考にしたのは「いちばんやさしい基本のおかず」、検見崎聡美著(整備堂出版)で、和風、洋風、中華風と韓国風のレシピが書かれていた。

  • 和風 :33レシピ中 24件に味醂もしくは料理酒を使用
  • 洋風 :13レシピ中    3件にアルコール使用(その他、サラダに酢を使用 2件)
  • 中華風:12レシピ中 10件にアルコール使用
  • 韓国風:   3レシピ中    2件にアルコール使用

和風以外のレシピ例は少ないがアジア稲作地域国ではアルコールを添加した食事が多く、欧米は少ないことが分かった。

表 COVID-19の感染とアルコールを含む食事の割合
COVID-19の感染とアルコールを含む食事の割合

和風のおかずにアルコールを含む例は、予想以上に多い。私たち日本人は意識しないうちに和食を食べて微少量のアルコールを摂取している。一方洋食では、白ワインで調理した食事はあるがアジア稲作国と比較するとアルコール摂取料理は極めて少ない。また、この結果はお酒を飲めない人の割合とも相関しているようだ。
参考1 COVID-19の感染とアルコールの飲めない人とWASHOKUのデータ解析」に示したように相関性が高いことが解析により確認された。

【食事に含まれるアルコール量】


更に、添加されているみりんと料理酒の割合から、料理に使用されたアルコールの量と食べた時のアルコール分子の数を推定した。

推定した条件の根拠となるデータはないが、以下を想定した。

  • 煮る :アルコールは1/100になると仮定(煮物には1/10残ると仮定)
  • 汁もの:8割食べると仮定
  • 漬物 :1/100残ると仮定

料理の条件によって残存するアルコールの量は変わるため、実際の値は違ってくると思われる。煮物なども、加えて煮炊きするのと火を止める直前に味醂を加えるのとは大きく変わるだろう。また、煮汁を多くつけて食べる人とつけない人でも変わるので、上記はあくまでも推定値である。

表 和風料理に含まれているアルコールの推定値
和風料理に含まれているアルコールの推定値

※参考数値として甘酒と日本酒約2合とアルコールにより病気になる確率が高くなる限界のアルコール20g/日の計算値を載せた。

いずれのおかずでもアルコールの摂取量は極めて少ない。しかし、発病するコロナウイルスの分子数と比較すると圧倒的に大きい。前回計算したように発病するウイルスの分子の数が9.8×10⁸であるから料理で大さじ半分味醂を加えてもアルコール分子数は10¹⁸にもなり10¹⁰も多くなっている。一方アルコールを酒で摂取すると10²³となり大幅に過剰となる。

料理をする人はウイルスの数も料理中のアルコールの分子数も考えたことはないであろう。しかし、分子の数で考えた和風のおかずには100億倍以上のアルコールを添加していて、これがウイルスの繁殖を抑え病気を防いでいるのだろう。
いずれの料理でも料理に加えている味醂や料理酒はわずかであるが、計算するとウイルス数と比較して圧倒的な大過剰になっていることが表から明らかである。

【ファクターX】


山中伸弥教授が日本のCOVID-19の感染者が少なく死者も少ないのには何かファクターXがあると発表している。

ファクターX - 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信:https://www.covid19-yamanaka.com/cont1/74.html

多くの評論家はデータもなく「日本人はまじめでマスクをしている。」などと論評しているがさすがに山中教授は何かファクターXがあると直感して述べている。山中教授は日本だけの特異性ではないかと書かれているが、前回まとめた「表 世界の主な国の感染状況(2021年11月25日、第5波まで)」に示したように日本、中国、韓国、台湾もCOVID-19の感染者と死者は少ない。データは日本の特異性ではなくアジア稲作地域の特異性を表している。

山中教授はファクターXが何か断定することなく、可能性の考えられる7項目を挙げて、人々が認識していない何かが影響していると述べている。流石である。その何か分からないファクターXを筆者は微少量のアルコールを含む食事(ここではWASHOKUと表現する)であり、WASHOKUを食べる習慣およびアルコールを飲めない体質だと考えた。筆者は考古学的な知見、アジアの稲作国のアルコールを飲めない体質およびその地域の料理と世界のCOVID-19の感染結果からこれがファクターXだと確信した。即ち

ファクターX=WASHOKU である。

ファクターXの確認は医学的な検討が必要である。アジア稲作国のCOVID-19の患者の少ないことや死者の少ない原因が明確になればCOVID-19のような病原菌に対する防疫方法の発見へとつながると考えられる。そのために是非とも医学的な立証を希望します。

以上のように考えて来たが、読者はご理解いただけたであろうか?

【参考1 COVID-19の感染とアルコールの飲めない人とWASHOKUのデータ解析】


先に載せた「表 COVID-19の感染とアルコールを含む食事」の割合から、データのある部分を使用して下記の「表 COVID-19の感染とアルコールの飲めない人とWASHOKU」のデータの相関性を調べるために多変量解析を行った。解析にはデータ解析ソフトJMP(株式会社SASインスティテュートジャパン)を使用した。

表 COVID-19の感染とアルコールの飲めない人とWASHOKUのデータ
COVID-19の感染とアルコールの飲めない人とWASHOKUのデータ

多変量解析による相関性解析結果。相関係数が1または-1に近いほど相関性が高い。

表 COVID-19の感染とアルコールの飲めない人とWASHOKUのデータの相関性
COVID-19の感染とアルコールの飲めない人とWASHOKUのデータの相関性

相関係数はいずれも0.9(-0.9)以上あり、患者数やアルコール含む食事と高い相関性を示している。
このことはアルコールを含む食事を取り、アルコールを飲めない体質を持った者は発病を防ぎ淘汰され生き残ったという結果を示しているようである。

【参考2 飲み会で酒を飲んでなぜ感染が広がるのか】


図 飲酒によるウイルス量の変化モデル図
飲酒によるウイルス量の変化モデル図

感染拡大防止のため多人数での飲食が禁じられ、制限されている。この徒然草ではアルコールは殺菌すると書いているが矛盾しないかと思われる方がいるかと思う。
飲み会ではウイルスの拡散とアルコール摂取による体内の殺菌が同時に起きていることになる。しかし、アルコールによる殺菌は短時間に効力がなくなる。体内の殺菌と同時に体や服に付着して、ウイルスがその後で繁殖して発病に至る。アルコールの数は10²³と大過剰だがアセトアルデヒドになり酢酸になってしまうと効果が無くなる。アルコールを大過剰摂取してもせいぜい1~3時間で消滅し、その後では効果はない。
アルコールの効果を感染予防に使う。そのためには少量のアルコールを適当な頻度で摂取することが重要である。

また、アルコールを20g以上摂取するとアルコールによる病気のリスクが高くなる。
(引用:飲みたくなるのは“進化の宿命”!_ 酒の知られざる真実 _ NスペPlusより)

ウイルスを殺菌するアルコールは飲酒のように大過剰に飲む必要はなく、ウイルスが体内に入ったらその都度微少量のアルコールで殺菌することの方が効果的だろう。

図 飲酒と病気のリスク(NスペPlusより)
飲酒と病気のリスク(NスペPlusより)

飲み会によって病気が広がった結果、【人の集合によるウイルスの拡散とアルコール摂取とを混同して飲み会はCOVID-19の感染を拡大する】と結論づけた。飲酒による殺菌効果と人が集まって話をして菌を拡散する行為をいっしょくたにして結論付けたために間違った結論づけをしてしまったのではなかろうか。
飲酒の効果と人が集まってウイルスを拡散することを分けて対応しないと対策も適切ではなくなると筆者は考えるのだが、如何だろうか。

【参考3 中国の宴会での乾杯】


中国に行くと宴会で「乾杯、乾杯、乾杯」と何度も乾杯が繰り返されることがある。考古学の研究によると中国人の52%は飲めない体質の人だそうである。その秘密をある商社の人から聞いたことがある。
乾杯を叫んでいる人にお酒を注ぐ人が付いている。彼は特別なお酒を注ぐ。そう「水」を注いでいるのだ。お酒の飲めない幹事が見事にお酒を飲むパフォーマンスを繰り広げているのである。本当にご苦労様と言いたい。場の雰囲気を盛り上げるために飲めないのに「乾杯」を繰り返すのだ。もちろんお酒の好きな大酒飲みもいるでしょう。パフォーマンスと割り切って宴会を楽しむことにしたいものだ。

【参考4 アルデヒド化合物の殺菌力】


殺菌作用のある物質が殺菌剤として使用されている。
健栄製薬による消毒薬の分類は以下のようになっている。
(引用:https://www.kenei-pharm.com/medical/countermeasure/base/05.php

高水準消毒薬に分類されるグルタラールやフタラールはいずれもアルデヒド化合物である。アルデヒドの官能基はウイルスと作用して強い殺菌作用を示している。アセトアルデヒドも強い殺菌作用を持つと考えられる。

【次回】


次回は筆者のWASHOKUと摂取の仕方や日本の都道府県別感染状況などを掲載する予定。

なお、本稿は執筆者の個人的見解であり、筆者の所属する組織等の見解ではありません。
世界中がCOVID-19から解放される日が一日も早く来ることを願っています。

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