2024年第1四半期、中国の40111000(乗用車用新型空気入りゴムタイヤ、以下同じ)の輸出は引き続き好調で、過去最高を記録した。第 2 四半期も輸出好調が続く可能性があり、第 2 四半期が輸出最盛期となる可能性が高いことから、40111000 の輸出全体は高水準が続くと SCI は見ている。
【1. 第 1 四半期、40111000 の輸出は過去最高を記録】
2024年第1四半期、中国の40111000の輸出は好調を維持し、総輸出増加は継続している。月間輸出量と四半期輸出量はいずれも過去最高を記録した。3月の40111000の輸出量は745.39千トンで、前年同期比16.63%増となり、過去同時期と比べ最高を記録した。人民元安、欧州地域の地政学的要因の影響、中国の積極的な海外市場開拓などが輸出高増加の主な要因である。
輸出構造を見ると、40111000の北米、アフリカ、東南アジア向け輸出数量のみが前年同期比で減少したが、その他の地域向け輸出数量はすべて前年同期比で増加した。中国の北米向け40111000の輸出数量が減少した要因は、主に米国の経済成長が鈍化したためである。米国でのタイヤの需要は減少していることに加え、米中貿易摩擦が中国の対米タイヤ輸出を抑制した。アフリカへの輸出量が減少した主な理由は、アフリカでの輸出価格が欧米よりも低かったためである。第1四半期、中国の40111000のアフリカ向け平均輸出価格は2483.23ドル/トンで、欧州向けより11.75%、北米向けより8.23%低かった。東南アジアへの輸出量が減少した理由は、中国のタイヤ企業が近年東南アジアに工場を建設したためである。
中国の40111000の第1四半期の増加傾向要因は中国の欧州向け40111000の輸出量が全体の約40%を占め、前年同期比63.61%増で第1位となったことによる。その理由は第1に、欧州は戦争など政治的要因により中国製タイヤ需要が急増した。第2に、過去2年間、欧州の現地タイヤ企業の閉鎖が続き、供給不足問題が深刻化した。そのため、欧州は中国からのタイヤ輸入を増やした。更に中国の南米と中東への輸出量も増加基調であった。要因は対中国円のドル高が中国のタイヤ輸出を後押ししている。第二に、南米と中東のタイヤ市場は急速に発展したこととによる。中国のセミスチールタイヤ企業は積極的にこれらの市場を開拓し、高品質・低価格で市場シェアを高めた。
【2. 2024年第2四半期、40111000の輸出は引き続き強い】
SCIの調査により、第2四半期の中国の40111000の輸出が第1四半期より高くなる可能性があると予想した。第1四半期は、休日がタイヤ輸出に強い影響を与え、タイヤ輸出能力に限りがあったことによる。そのため、その年の輸出量は比較的低い水準であった。
SCIは、中国の40111000の輸出は2024年通年でも好調を維持し、販売量を急増するとみている。第2四半期には、有利な為替レートが続くと予想され、中国の40111000輸出企業の好採算に貢献する。したがって、タイヤ企業は輸出に更に積極的になる可能性が高い。また、欧州の地政学的要因の影響を受け、中国の40111000の新規輸出受注は漸増している。同時に、中国のセミスチールタイヤは中東と南米の市場でより高い市場シェアを占めている。従って、中国の40111000の輸出は全体には第2四半期も堅調に推移すると予想され、前四半期比、前年同期比ともに増加する可能性がある。