2022年の韓国の合成ゴム輸出量は過去最低を記録

(Sublime China Information 2023年02月17日ニュースより)

KCS によると、韓国の SBR 輸出量は 2022 年約 50 万トンで、前年比 10% 減少し、2010 年以来の低水準になった。韓国のSBR 輸出量は近年 57 万~58 万トンで安定していたため、2023 年は著しく減少するであろう。 その理由は、第 1 にESBR の収益が低迷したため、韓国の ESBR 企業は稼働率を引き下げた。 第2に韓国の一部の ESBRプラントはNBL のような他の製品を生産するように改造されより高い利益が得られるようになったことが挙げられる。

韓国の輸出貿易相手国に関しては中国への SBR 輸出量が 9 万トンを下回り、前年比で 22% 減少し、初めて 10 万トンを下回った。 主な理由の第1はロシアから安価なESBRが輸入され、中国の ESBR 市場価格が下がったため、韓国はコスト的に ESBR をより安い価格では販売できなかった。韓国は SBR の供給構造を調整し、ESBR の生産を縮小し、SSBR の生産を拡大した。 第2に韓国の米国向け SBR 輸出量は年々増加した。 2022 年には 7 万トンを超え、前年比で約 23% 増加したが、過去数年間は約 4 万トン程度だった。 第3に、韓国のインドネシア、ベトナム、タイへの SBR 輸出量は減少し、前年比で合計約 1 万トン減少した。 主な理由は、中国の輸出 SBR の方が費用対効果は高かったためである。 このように、韓国の輸出 SBR 市場の一部は、中国の SBR に置き換わってきた。

South Korea SBR Export Volume

出典:KCS(Korea Customs Service:韓国関税庁)

下記のグラフで分かるように、近年、韓国の PBR 輸出量は基本的に安定しており、約 35 万トンで推移した。 基本的に、韓国では新たに追加された PBR 製造能力はなく、 短期的にも新たに製造能力を追加する計画はない。 第2に、インドネシアは韓国にとって最大の PBR 貿易相手国だった。 2022 年、韓国のインドネシアへの PBR 輸出量は全体の 20% を占めた。 2 番目に大きい PBR 貿易パートナーはタイで、3 番目に大きいのはベトナムだった。 韓国のベトナムへの PBR 輸出量は増加し、全体の 14% を占め、前年比 3% 増加した。 中国は、韓国の PBR 貿易相手国の中で 4 位になっている。 韓国の中国への PBR 輸出量は 2022 年に約 45kt で、2009 年以来の低水準になった。全体として、インドネシア、タイ、ベトナムは韓国の主要な PBR 取引相手であり、 これら 3 カ国への韓国の PBR 輸出量は、全体の約 50% を占めている。

South Korea PBR Export Volume

出典:KCS(Korea Customs Service:韓国関税庁)

2023 年の見通しとして、韓国では2022 年末に試運転を行った新たな SSBR プラントが生産を開始するであろう。しかし、中国のSSBR 生産量は急増する可能性がある。 韓国と中国のSSBR生産能力の増加の影響を受けて、韓国のSBR輸出量はさらに減少すると予想される。 しかし、韓国の中国への SBR 輸出構造からするとSSBR が全体の中で高い割合を占めるであろう。また、 2023 年初めに閉鎖された韓国の HCBR プラントが生産を再開すると予想され、中国に新たに増設された HCBR プラントが稼働するであろう。 中国市場での競争により韓国の中国への PBR 輸出量は 2023 年にさらに減少するだろう。

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